研究課題/領域番号 |
10555019
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
長島 泰夫 筑波大学, 医療技術短期大学部, 教授 (60091914)
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研究分担者 |
青木 孝義 筑波大学, 物理学系, 助教授 (30114028)
関 李紀 筑波大学, 化学系, 助教授 (70015775)
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キーワード | AMS / 加速器質量分析 / ヨウ素129 / 環境 / 静電加速器 |
研究概要 |
研究初年度の今年度は、来年度から^<129>I測定実験を行う為に必要な装置の開発及び準備とタンデム静電加速器システムに本研究遂行に必要な改良を施す作業を行った。以下に箇条的に経過と実績を述べる。 1) ヨウ素試料抽出方法の確立と試料作製装置の開発を行った。(関 担当) 多段電気実験炉を用いたヨウ素抽出テスト実験を精力的に行い、測定に妨害となるTe元素を極力排除しつつ、植物、生体臓器(甲状腺)及び岩石に含まれるヨウ素を効率よく抽出する方法を開発した。1200℃,1000℃、150℃の3連電気炉により、酸素及び窒素雰囲気中で試料の燃焼、酸化を行い、活性炭で目的ヨウ素を抽出する試料作製装置の開発を行った。現在、海水中のヨウ素を取り出すテスト運転をしている。 2) ^<129>I検出用粒子飛行時間測定装置の開発を行った。(長島、青木 担当) 静電加速器で加速された^<127>Iを用いて^<129>I測定のシュミレーション実験を行い、^<129>I測定に必要とされる時間分解能とエネルギー分解能の見積もりを行った。その結果を基として、高真空槽の大きさ、粒子飛行距離の決定、マイクロチャンネルプレートの選定を行い、^<129>I検出用粒子飛行時間測定装置の開発を行った。3月中旬に納入される予定となっており、加速ビームによる性能の確認、来年度からの測定実験に使用する予定である。 3) タンデム静電加速器に^<129>I測定に必要な改良を施した。(長島 担当) イオン源のエミッタンスを小さくし、測定精度の誤差を1%程度に改善した。静電偏向器の電源を10^<-6>の高安定にし、ビーム転送安定性を改善した。加速電圧安定化帰還システムを改善し、0.1nA程度の極微少電流での加速電圧安定化を可能とした。
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