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1998 年度 実績報告書

位相共役超音波を用いた無歪み診断装置および自動標的治療装置開発の基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 10555021
研究機関東京大学

研究代表者

高木 堅志郎  東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90013218)

研究分担者 大野 正弘  (株)オリンパス光学, 研究員
山本 健  (財)小林理学研究所, 副研究員
坂本 直人  東京大学, 生産技術研究所, 助手 (10282592)
酒井 啓司  東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (00215584)
キーワード位相共役 / 超音波 / 超音波診断装置 / 波面補正 / 無歪み映像系 / 自動標的
研究概要

超音波の位相共役波はその時間反転性と波面歪みの自動補正性から、いろいろな応用が期待され非常に多くの研究がなされている。特に、医療への応用(超音波診断やガン治療、結石破砕など)は、身近な医療施設に広く普及するものであり、その社会的意義は極めて重要である。本研究において、我々は圧電セラミクスの非線形応答を利用した新しい位相共役波の発生法を用い、(1)無歪み超音波映像法および(2)収束超音波による自動標的系の製作を目的とした。このうち(1)については、画像領域2cm×2cm、分解能40μm、全掃引時間25分の自動走査ステージを作製し、周波数15MHzの超音波トランスデューサーを用いた映像装置を完成させた。現在これに有効開口5mm×10mm、効率45%のPZT圧電セラミクス製位相共役鏡を組み込み、その基本的な動作を試験している。また表面にゆるやかな凹凸のあるアルミ板について、裏面の構造を無歪みで映像化できることなどを示した。一方、より重要な目的である自動標的については、まず効率100%を超える位相共役鏡が必要である。このため有効に2倍のポンプ電場をかける大型共振キャビティを試作し、30mm×5mmの電極間に3kV、30MHzの有効電圧を発生させることができた。さらに新しい位相共役材料の探索として、最近登場したレラクサー強誘電体単結晶に着目し、その非線形圧電定数、誘電率、弾性率などの測定を行い、大きな位相共役効率が期待されることを確かめた。この材料は圧電非線形が強いばかりでなく、単結晶ゆえ15MHzの超音波に対する音響損失がセラミクスよりも少ないという利点をもち、実効的な効率が大幅に増大することが期待される。大型の単結晶を入手することも可能となったので、これを用いて超音波位相共役の自動標的系を試作することにした。以上のように本研究の目的達成のための指針と準備は整っている。来年度中に生体系を試料とした自動標的を成功させることは充分に可能である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 大野 正弘、高木 堅志郎: "超音波の位相共役波" 固体物理. 33. 823-824 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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