研究分担者 |
高橋 哲 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30283724)
柴田 隆行 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手
村上 光平 三菱電機(株), 生産技術センター, 主任(研究職)
三好 隆志 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00002048)
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研究概要 |
平成10年度は光放射圧マイクロ加工ツール試作のための基礎技術を確立するため,光放射圧の力学的特性,光硬化性樹脂の硬化特性およびダイヤモンドによる光放射圧加工特性について検討し,以下の研究成果を得た. 1. 光放射圧制御フイン形状設計システムの基本ツールとして,光放射圧マイクロ加工ツールの光放射圧分布および作用力を解析する光放射圧シミュレータを構築した.これにより,任意の形状をもつ3次元物体への光放射圧作用を解析し,光放射圧制御フインの設計形状の最適化を図ることが可能となった. 2. 光放射圧マイクロ加工ツールの光放射圧制御フインを構成する光硬化性樹脂の光硬化特性を解析するため,時間領域差分法(FDTD法)に基づいた薄膜状樹脂硬化特性解析シミュレータを構築し,基本モデルによってその有効性を検証した.来年度は,これを利用した露光条件最適化,硬化過程解析,形状精度評価を行い,高精度形状創生技術の確立を図る. 3. 光放射圧制御フインを構成する光硬化性樹脂の硬化特性について実験的に検討した結果,光学系構築上のメリッドが大きい波長488nmのレーザ光に感度を有する光硬化成樹.脂の場合,最小100μmの硬化単位を確認することができた. 4. 光放射圧マイクロ加工ツールの工具部となるダイヤモンドによる光放射圧加工の基本特性を調べるため,光放射圧によって並進・回転運動制御された平均粒径4μmのダイヤモンド砥粒をシリコンウェハ表面付着カーボン薄膜と相互作用させる基礎実験を行い,深さ数ナノメートルのマイクロ加工が可能であることをAFMやSEMによる加工痕の観測によって明らかにした.
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