研究概要 |
本研究は,平成10年度と平成11年度の2ヶ年で計画されており,製品企画・概念設計を進める中で固められてくる製品意匠形状イメージをモデル形状として具現化し,エージェント機能を用いて感性的手法に基づき,高品位な実体モデルを提案するシステムを試作開発することを目的としている。同目的は,(1)3次元抽象粗モデル構築サブシステム(意匠イメージから抽象粗モデルを構築するサブシステム),(2)3次元抽象精モデル構築サブシステム(抽象粗モデルから抽象精モデルを構築するサブシステム),(3)3次元完像モデル構築サブシステム(抽象精モデルから完像モデルを構築するサブシステム)の3つのサブシステムを開発することにより達成される。 平成10では,以下の成果が得られた。 (1) 3次元抽象粗モデル構築サブシステムの開発 グラフィックスワークステーションとデータグローブおよび3D立体視装置を組み合わせ,意匠形状イメージをバーチャルクレイモデルとして構築するサブシステムを開発した。また,力フィードバック装置を用いてバーチャルクレイモデリング造形作業における反力をモデラー(作業者)に感じさせるシステムの基礎開発を行った。次年度において,造形反力をフィードバックするシステムを組み入れるとともに,スケッチ・レンダリングモデルからも3次元抽象粗モデルを構築するシステムを開発する。 (2) 3次元抽象精モデル構築サブシステムの開発 3次元抽象粗モデルの局部形状に対して,その位置と法線ベクトルを基に2次曲面に当てはめ形状調整処理を施し,3次元抽象精モデルとして構築するサブシステムの開発を行った。 (3) 3次元完像モデル構築サブシステムの開発 3次元抽象精モデル形状に対してハイライト曲線の調整に基づき美形状化して3次元完像モデルを構築する,あるいは,3次元抽象精モデル形状に対して美形状データベースがら形状を部分的に当てはめ3次元完像モデルを構築するサブシステムを開発した。
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