研究課題/領域番号 |
10555045
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
機械工作・生産工学
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研究機関 | 沼津工業高等専門学校 |
研究代表者 |
柳下 福蔵 沼津工業高等専門学校, 制御情報工学科, 教授 (60043147)
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研究分担者 |
勝木 雅英 東芝機械(株), 精密機械事業部, 事業部長(研究職)
酒井 保男 酒井精密加工技術研究所, 所長
楠井 直樹 沼津工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (50259868)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | 研削音 / AE信号 / ウェーブレット変換 / 砥石寿命 / 加工状態モニタ装置 |
研究概要 |
研削箇所で発生し、固体内を伝播する弾性波(研削音)をAEセンサで検出して、その信号にウェーブレット変換の高速データ処理を適用した結果を周波数・時間・スペクトル強度からなる三次元カラー図形として表示する研削状態モニタ装置を開発し、試作した。本装置をWA砥石ならびにGC砥石にによる平面プランジ研削試験、さらに加工現場のCBNホイールによる円筒プランジ研削に適用した結果、以下のことが新に判明した。 (1)WA砥石ならびにGC砥石による研削中の研削音にウェーブレット変換を適用すると、砥粒の破砕、結合剤の破壊ならびに被研削材の破壊に起因する周波数スペクトルが三次元カラー図形上で明かに分離して認識できる。 (2)三次元カラー図形中の、砥粒の破砕と結合剤の破壊に起因する周波数スペクトルに着目して、その強度の変化をモニタすることにより、従来、熟練作業者の勘と経験に頼らざるをえなかった砥石寿命の判定や最適研削条件の選定などが科学的かつ合理的に実施できるようになる。 (3)加工現場のCBNホイールによる円筒プランジ研削において、初期研削動力が大きく、初期仕上面粗さが劣る問題は、ツルーイング・ドレッシング直後のCBN砥粒には機械的ダメージが内在しており、さらに結合剤により不安定に保持されている砥粒が存在するため、研削開始とともにCBN砥粒の微小破砕と脱落が急激に進行し、やがて安定した研削が行われるようになる過渡的現象であることが判明した。 (4)近年需要が増している各種硬脆材料(Siウエファ、セラッミクス、ガラス等)の精密研削加工に本技術を適用すると、硬脆材料の欠損による不良品の発生を検知し減少するための方策が明示でき、硬脆材料の精密加工技術の向上に寄与できると思う。
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