研究分担者 |
中本 剛 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (30198262)
新美 智秀 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (70164522)
森 俊彦 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (90023340)
小林 勝 NTT, 光エレクトロニクス研究所, 研究員
平野 元久 NTT, 入出力システム研究所, 研究員
|
研究概要 |
本研究は,メカニカルアロイング法,イオンビーム支援蒸着法を用いて原子配列を制御し,超潤滑条件を満たす超低摩擦材料の可能性を主にMoS_2,TiN,窒化炭素膜について検討したものである.また、同時に超潤滑状態の実証と摩擦係数測定の高精度化を行うために超高分解能光ファイバー干渉計による摩擦力測定システムについて検討したものである.得られた主な結果は以下の通りである. (1)MoS_2粉末にメカニカルアロイング(MA)法を300hまで施し,その後加圧成形試料を作製し,結晶構造の変化,pin-on-disk式摩擦試験機でトライボロジー特性を評価した.処理時間の増加に伴い、原子面同士の回転による基底面間の回転が示唆された。摩擦係数は大気中では摩擦係数が0.1-0.2で顕著な変化は観察されなかったが,層間の不純物原子が脱離する真空中では摩擦係数が0.05以下と顕著な低下を示した。 (2)イオンビーム支援蒸着法によりTiN薄膜の配向性の制御をTiとNイオンの輸送比および基潤滑性を制御した表面形成への可能性を明らかにした. (3)また,窒素炭素膜に同手法を適用し,Arアシスト効果や基板の差異がトライボロジーに与える影響について検討した結果,Ar/N比が1付近では相手材が鋼材にも関わらず摩耗が観測されず,ゼロ摩耗材料の可能性が示唆された.また,基板材料をTiNとした場合,真空中ではDLCを凌ぐ耐摩耗性を示した.これらの優れたそれぞれの特牲は電子顕微鏡観察等の分析の緒果,、ナノチューブ状の組識の発達および界面での化学結合によるものと判断された. (4)光ファイバー干渉システムを試作し、ファイバー端面にコーティングすることにより反射率を4,70%と干渉強度の増大に伴う分解能の向上について検討した結果、反射率70%のものは分解能が従来の4%に比較して約7.5倍向上し、コーティングによる顕薯な効果があることが明確になった.
|