研究課題/領域番号 |
10555063
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
滝田 謙一 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80282101)
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研究分担者 |
藤森 俊郎 石川島播磨重工業株式会社, 基盤技術研究所, 課長代理(研究職)
小林 秀昭 東北大学, 流体科学研究所, 助教授 (30170343)
升谷 五郎 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20271869)
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キーワード | 輻射再吸収 / 低公害燃焼 / 可燃限界 / CO_2再循環 / 高圧燃焼 / 対向流火炎 |
研究概要 |
1.メタンの素反応機構及び輻射の狭域バンドモデルを用いた1次元反応流解析コードにより、輻射再吸収が燃焼速度及び可燃限界に与える影響及び、それらの圧力依存性を調べた。未燃ガスへの輻射再吸収を考慮することにより、再吸収を考慮しない場合に比べて燃焼速度が増大し、可燃限界も拡大される。その効果は圧力が高いほど、CO2濃度が高いほど大きいことがわかった。また、伸張火炎の輻射消炎限界が著しく拡大されることもわかった。高圧になると、プランク平均吸収厚さが減少して再吸収の効果が顕著になるためである。輻射再吸収を考慮した火炎においては、火炎面前方の未燃混合気において輻射熱損失が負になる対流輻射領域が存在することを初めて明らかにした。 2.上記の解析によって得られた輻射再吸収の効果を実証するため高圧容器内での対向流予混合火炎の実験を行った。実験は圧力範囲が大気圧から3気圧まで、伸張率の範囲は30(1/s)から60(1/s)まで、CO2濃度は最大40%までの範囲で行った。結果は、CO2の添加の有無に関わらず、圧力の増加に対する可燃範囲の狭まりは同程度であり、明確に輻射再吸収の効果を確認することは出来なかった。今後、輻射再吸収の効果を得るためには、さらなる高圧かつ高CO2濃度の実験が必要であると考えられる。特に輻射再吸収の効果は低伸張率側で顕著であるため、対向流速の遅い範囲での実験を行う必要がある。さらに、庄力が高くなるにつれて著し〈火炎面が不安定になる現象が観察された。この不安定性の現れるメカニズムやそれが消炎限界に及ばす影響についても検討する必要がある。
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