研究課題/領域番号 |
10555064
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
圓山 重直 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (80173962)
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研究分担者 |
岡田 繁信 株式会社島津製作所, 航空機事業部, 副課長
小原 拓 東北大学, 流体科学研究所, 助教授 (40211833)
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キーワード | 干渉計 / 位相シフト / 分子膜厚 / 相変化 / エリプソメータ |
研究概要 |
平成11年度は、前年度構築した膜厚計測システムを用いて、本研究の目的達成に重要な、画像の解像度について引き続き検証を行ってきた。また平行して分子膜を生成し測定する観察セルの製作も行った。 解像度の検証については、平成10年度と同様に濃度拡散場を位相シフト干渉計で観察し、分子膜厚の測定に必要な解像度を確認した。また平成10年度に開発したディジタル位相シフトカメラと画像記録装置を組み合わせることで、高精度なリアルタイム画像を非圧縮処理で取り込むことができたが、わずかに観察される光学系の誤差について調整を行い、更なる高精度化に向けてカメラ調整及び記録装置の改善を行っている。また画像記録装置には、膜厚測定の実験の際に得られる様々な数値データを画像データ内に記録できるアナログ入力も取り付け、実験環境の改善を試みている。 観察セルについては、既存のエリプソメータと本研究の前年度成果で精度確認ができた位相シフト技術を用いて位相シフトエリプソメータの原理を導き、その原理を用いて分子膜厚が計測できる観察セルの設計を行ってきた。分子膜の生成には、水分子の凝縮過程を用いることにし、飽和水蒸気内に蒸着アルミ板を設置して、そのアルミ板を急速冷却することで行う。急速冷却に関して、非平衡熱電素子とコンピュータシステムを連動させた能動温度制御システムを構築し、同温度制御システムの非定常特性を検証した。その結果、非平衡熱電素子を用いることによって高精度な温度制御及び急速な温度変化を与えることが可能であることが確認でき、本拡散セルに適用した。その結果、分子膜の生成に成功し、観察できることが確認できた。 以上をまとめると、本年度の研究自的をほぼ達成したといえる。
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