ディーゼルエンジン排ガス中には、10%前後のO2と浮遊粒子状物質(ススとタール状物質)が含まれているため通常の三元触媒ではNOx低減が困難であり、現状ではディーゼル排ガスに対して有効な排ガス浄化方法がない。このためディーゼル排ガス処理装置の開発は社会的に緊急の課題となっている。そこで、本研究では遠心流動層を用いたディーゼル排ガス中のNOxとススの同時除去装置の開発を目的として研究を行った。 本年度は、遠心流動層によるススの補集機構を解明するため、ナノサイズの超微粒子を遠心流動層で流動化させる実験を行った。その結果、ナノサイズ粒子が、遠心流動層によって、飛び出さずに大きな凝集塊を作ることなく流動化できることを初めて明らかにした。実験結果は、遠心流動層がディーゼルエンジン排ガス中のパティキュレートを補修するとともに、これによりNOxが還元剤されるという、これまでの仮説を裏付けるものである。
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