平成10年度の研究計画では、絶対位置情報に基づいた自動運転システムの構築とその基礎実験を行い、一力学系とみなした多台数車両による自動追従実験の準備を行う予定であった。実際に実施した研究の概要を以下に示す。 (1) 絶対位置情報に基づいた自動運転システムの構築に関する研究 ・ 絶対位置計測システムの作成 ・ 絶対位置情報に基づく自動操舵システムの構築 ・ シミュレーションによるコース追従運転の検証 ・ 操舵制御による目標コースへの自動追従走行基礎実験 ・ シミュレーションと実験結果の評価 (2) 一力学系とみなした車両群の最適な制御に関する研究 ・ プラトゥーンを一力学系として扱った制御系の構築 ・ シミュレーションによる制御系の評価 ・ 実験車による縦方向制御(モデルマッチング制御)実験 ・ 複数車両(2台)による状態量通信実験 本年度に計画されていた研究は計画どおり完了した。DGPSによる絶対位置捕捉、情報の補完・加工等、シミュレーションで解決された問題はすべて実験でも解決され、コース追従自動運転実験も成功した。また、本研究の大きな目標であるより高度な車両追従運転(プラトゥーン走行)の前段階として、各車両の加減速特性を一致させるモデルマッチング制御にも試み、シミュレーション・実車実験を行った。来年度以降は、絶対位置から計測される各車両間の相対距離を用いた、より高度な車両追従実験を行う予定である。
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