研究概要 |
本研究は,研究代表者が提案する並立するビル群の振動制御法を応用して,新規及び既存の建造物の耐振性向上を図る新しい中高層ビルの地震応答制御法を確立することを目的ととして,以下の2通りの具体的テーマについて研究を進め, (1) 既存の中高層ビルの耐振性向上を意図した3棟のビル模型のパッシブ,およびハイブリッド振動制御 (2) 大地震と強風による揺れの制御を意図した4連超高層ビル模型のアクティブ振動制御 その制御法と制振装置設計法を確立すべく研究を進めてきた. 項目(1)については,遺伝的アルゴリズム(GA)を用いたパッシブ制振装置の最適設計法を考案し,2棟の並立するビル模型構造物の地震応答制御研究を進めて,その研究成果を第2回世界構造制御会議において2編の論文に纏めて発表した.また,定点理論を用いたパッシブ装置の最適設計法についても平行して研究を進めており,これも同会議に1編発表した. 項目(2)については,まず基礎研究として柔軟構造物の曲げとねじりのアクティブ振動制御法の研究を行い,その成果を日本機械学会論文集にて公表した.また,4棟のビル模型を製作し,第一段階として各ビル模型を4つのアクティブブリッジで連結することにより,各ビル模型の一次曲げモードを同時に振動制御することを試みた.次に,4棟のビル模型を加振台に搭載して地震応答制御効果を確認し,本研究で提案する方法が大地震にも有効に作用することを確認した.その結果は日本機械学会論文集に公表すると共に,第2回世界構造制御会議にて発表した.なお,この研究に必要なセンサの研究も同時に進めており,この成果も第2回世界構造制御会議にて1編発表した
|