研究課題/領域番号 |
10555082
|
研究機関 | 仙台電波工業高等専門学校 |
研究代表者 |
大泉 哲哉 仙台電波工業高等専門学校, 電子制御工学科, 教授 (70152048)
|
研究分担者 |
服部 正行 仙台電波工業高等専門学校, 電子制御工学科, 教授 (00007022)
熊谷 和志 仙台電波工業高等専門学校, 電子制御工学科, 助教授 (40270201)
|
キーワード | マニピュレータ / ロボット / 関節機構 / 等速自在継手 / フックス継手 / 低次対偶 / 3Dモデラ / 機構解析 |
研究概要 |
ロボットの手首関節機構は、作業確角度を自在に実現するために、立体角で2π[str]以上の可動範囲を付与することが普通である。本研究は、変形フックス継手を2つ連結し、その連鎖を3重にした等速自在継手を利用した関節機構を提案している。入力軸を固定節リンクAとし、B、C、D、そして出力軸を先端節Eとしたとき、リンクBにアクチュエータを付け、リンクBの遥動によって、先端部を駆動する。これまで、試作第3号機まで製作してきた。平成11年度は、平成10年度の設計・解析結果をふまえ、3D機構シミュレータを用いて、さらに詳細な検討を行って、設計を進めた。その結果、中間すなわちリンクCの中央に両端の対偶軸を含む平面に垂直に新たな回転対偶を設け、リンクCを2つの節からなる関連鎖とすることによって、機構内内力の発生を安定的に押さえることができるようになった。また、機構駆動用油圧システムの構築を検討し、具体的に油圧ユニットや制御弁の導入を行った。以下にこの他の主な成果を列記する。(1)リンクCの節変更によって、関節機構の構造が大きく変わり、Culverの特許で提案されている機構と本質的に異なる機構となった。(2)この節変更を行った機構の強度を動作シミュレーションによって評価した。その結果、アルミニウム合金製の機構で、5.8kNの先端許容負荷に耐える機構を設計できることを確認した。(3)油圧シリンダによる駆動は、シリンダの固定側の取り付け位置を、機構姿勢に合わせて、さらなるシリンダで移動させる方法をとれれば、駆動力と対偶負荷を軽減できることを確認できた。(4)対偶軸交点形成が、機構の運動の過程で行われることを確認できた。(5)機構開発過程で、球面六節閉連鎖を用いたあたらな関節機構を発明できた。
|