研究概要 |
平成10年度は下記に示すような実験を行い,次のような結果および知見を得た. (1) 要素技術の確立: ・ 駆動ステージ 通常の粗動用メカニカルステージを自動化のために電動化するため,XYZ軸各ステージやモータの選定を行った.また,振動対策としてダンパーを用いることで駆動時の振動を低減させることに成功した. ・ インジェクター小型圧電インジェクターの試作及び空圧インジェクタを用いての吐出実験を行った. 圧電インジェクタに関して筆者の昨年までの研究で高粘度溶液には不適当なことが判っているので,今回は低粘度なメディウム(培養液)を用いて実験を行った.今回試作した小型圧電インジェクタはマニピュレーション部の近くに設置できるので,ピストンから作業部まで距離が短いので,レスポンスが良いという利点を確認できた.ただし,高粘度溶液に適した改善(摩擦機構の改善,ロック機構の追加など)を行う必要があることは,以前試作した大型圧電インジェクタと同じである. (2) 自動マイクロマニピュレータの試作:試作した上記低振動ステージを倒立型顕微鏡に取り付け,卵細胞の選択用画像処理装置と組み合わせて細胞選択機能を持たせた自動マイクロマニピュレータを試作した.下記に示すような知見を得た. (1). 画像処理を通して見ると精子の判別が困難. (2). RS-232Cでコンピュータとモータを結んでいるので速度が遅い. (3). 動作の停止(ソフトのバク)上記課題を克服するため,今後は下記のような改善を行う. (1)' モニターの増設及びキャプチャーボードの変更. (2)' コントローラ通信をGP-IBに変更. (3)' ソフトの改善.
|