研究概要 |
平成12年度は下記に示す装置の試作および実験を行い,数々の知見を得た.試作した装置を下記に示す研究機関に貸し出し,評価を受けている. (1)細胞回転機構の試作:インジェクション用マイクロピペットを卵細胞に挿入する際,前核の位置がマイクロピペット挿入の妨げになり,作業の効率低下になってる.また,脱核作業において前核の位置がホールディングピペット寄りにあると,複雑な作業を繰り返し,前核の位置を修正しなければならない.そこで,静電力を利用して細胞回転機構を試作した.本装置により,印可電圧4V,500kHzにおいて卵細胞は回転速度約30deg/sの回転を生じた.昨年度は,2次元的回転のみであったが,今年度は電極を複数枚積層し3次元化して,360度自由な姿勢での位置決めを可能にしてより実用性を高めた. (2)臨床テスト用モニター機の貸し出し:昨年度までに試作した自動マニピュレータを一部改良し,医学系研究者および農学系研究者に臨床テストを依頼するため貸し出した.なお,貸出機は昨年度より,制御ソフトの改善を行い,動作を手動型に近いより自然なものにした. 臨床テスト依頼機関:日本大学生物資源科学部応用生物科学科,鹿児島大学農学部生物生産学科,東海大学医学部産婦人科,広島県立大学生物生産システム研究科,セントマザー産婦人科医院に貸し出した(現在,引き続き貸し出し中).
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