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1998 年度 実績報告書

大地の帯磁現象を用いた落雷時の大地内放電機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 10555090
研究種目

基盤研究(B)

研究機関富山大学

研究代表者

酒井 英男  富山大学, 理学部, 助教授 (30134993)

研究分担者 三宅 幸博  フラクリンジャパン社, 研究部長(研究職)
河崎 善一郎  大阪大学, 工学部, 助教授 (60126852)
中村 光一  名古屋工業大学, 工学部, 教授 (10024283)
椚座 圭太郎  富山大学, 教育学部, 助教授 (30225180)
広岡 公夫  富山大学, 理学部, 教授 (30029467)
キーワード雷撃電流 / 残留磁化 / 岩石磁気 / 正極雷
研究概要

大地の帯磁現象を用いて雷撃電流に伴う磁場の状態を調べ,雷撃時の大電流の伝播経路や特性の研究を進めている.非常に短周期(〜μsec)での帯磁現象は,それ自体が岩石磁気の大きなテーマである.今年度は以下のテーマで研究した.
(1) パルス電流発生器で作成したパルス磁場による帯磁現象
無限に長い直線電流が周囲に発生する磁場はH=I/2πrに従い,距離に反比例して強度は減少する.しかし自然落雷を受けた地域では,磁場(磁化)は距離の二乗に反比例する結果(酒井他,1997)が得られている.距離の2乗反比例が事実か,また原因を探るため,雷撃電流を模倣したパルス電流による帯磁実験を行った.パルス電流発生器による電流を銅棒に流し,周囲に設置した試料の磁化強度と電流注入点からの距離の関係を調査した.磁化強度と距離には明確な2乗反比例が成り立った.実験はカレントジェネレーターの周期大電流が誘導する磁場でも行った.その結果,パルス電流(磁場)で2乗反比例則が確実な現象であるだけでなく,試料の磁化は,数10μ秒周期の電流の極性反転を見事に記憶する磁化反転を示した.
(2) 1998年度ロケット誘雷実験時の誘導雷に伴う塔脚周囲の帯磁と磁場
鉄塔塔脚から0.5m地点(四方の各地点)に,1m深度まで密に帯磁試料を設置し,ロケットで鉄塔へ誘雷した雷撃電流を残留磁化から調べた.試料は時計回りの磁化を示し,空中から大地に数10μ秒間流れた正極性雷の大電流の化石となっていた.同時に実施された各種観測から電流値は78kAと判明した.磁化測定は,雷電流は地下1mまで殆ど減衰せず伝播しており,周囲への洩れはあまり無いことを示しており,高周波電流の伝播特性から考えると特異な現象である.雷撃電流を磁化から探る研究手法の有用性が示され,更に手法を改良して現象の解明を進める必要がある.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Sakai,H.et al.: "Study of Lightning Current by remanent magnetization" Electrical Engineering in Japan. 123. 41-47 (1998)

  • [文献書誌] 内海眞志・河崎善一郎ほか: "ウェーブレット解析とファジィ理論を用いた軸受部劣化診断のための潤滑油中摩耗粒子識別" 電気学会誌. 119. 147-155 (1998)

  • [文献書誌] 宮間利政・中村光一ほか: "ウエーブレット変換を用いた音響法による雷放電路再現" 電気学会・放電・高電圧合同研究会誌. ED-98-149 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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