平成10年度は、試作1号機の機構製作、制御システムの設計・試作、制御方法の検討と並行して、軽量化を重視した試作2号機の機構設計を開始した。 1. 試作1号機の機構製作 購入済みの電動補助ユニットを改造し、試作1号機の機構部を製作した。 2. 制御システムの設計・試作 制御回路を設計・製作した。トルク検出器には、改造前のハンドリムスイッチを流用している。ワンチップマイコンには、今後の機能拡張等を考慮して、高機能かつ安価な最新のものを採用した。簡単な制御プログラムを作成し、動作チェックまでを行った。 3. 制御方法の検討 車いすのいくつかの駆動パターンを調べ、備えるべき制御機能について検討を加えた。制御ソフトウェアが備えるべき応用機能として、(1)非線形性補正、(2)中立位置自動設定、(3)不感帯制御、(4)時定数可変加減速制御、(5)左右輪同期制御、などが挙げられる。 4. 試作2号機の設計 トルク検出器の最終形状に大きく影響するので、試作2号機の機構設計を並行して開始した。試作2号機は軽量化を重視している。 5. トルク検出器の設計・試作 光学スリット式トルク検出器を開発し使用する予定だったが、試作2号機の機構設計の検討結果より、本応用においては歪みゲージ式の方が小形軽量化に適していることが判明したので、方針を変更し、歪みゲージ式トルク検出器の設計を開始した。 6. トルク検出器用実験装置の設計・製作 試作するトルク検出器の評価を行う実験装置は、方針変更により再設計を行っており、製作は一部部品にとどまっている。
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