研究概要 |
放電管試作担当の東芝ライテック(株)・井上が交付決定後間もなく9月1日付けで福井高専に転出したため、新しい放電管の試作に企業の協力が得られ難くなった。来年度、同社より分担者を交代していただいて開発・試作を進めることとし、今年度は市販蛍光ランプを流用し、電極の消耗その他の基本特性の測定、コンピュータシミュレーションと点灯結果との比較、点灯回路の開発・試作等に重点を置いて研究を進めた。 1. 放電管 (1) 電極 発光色を制御するためにはデューティ比の小さいパルスを使用する必要があるが、その場合、熱陰極では電極温度が維持できず電極の消耗,管壁の黒化などの悪影響をもたらす。デューティ比1%程度までの電極の消耗状況をフィラメント電流との関係において調査した。 (2) 蛍光体 三波長型蛍光ランプに用いられている蛍光体、緑色(LaPO_4:Ce,Tb),青色(BaMgAl_<10>O_<17>:Mn,Eu),赤色(Y_2O_3:Eu)等について、発光色の変化の実測とコンピュータシミュレーションとの相違について調査した。 2. 点灯回路の設計・製作 デューティ比1%〜50%、周波数50Hz〜50kHz、電圧1000V程度まで、パラメータを広範に変えられる点灯回路を試作し、種々の点灯測定に供した。今年度は点灯条件を幅広く変えるための回路を試作したが、来年度は適正条件近傍に絞った安価なものを目指す。 3. 点灯実駿 設備備品費として計上したディジタルオシロスコープは速やかに購入して最大限に活用し、管入力,管電圧,電流等を測定した。これによってデューティ比の小さいパルスの電力測定、フルブリッジ回路のようにグランドレベルから浮いた電位で変動するランプの電圧、電力等が正確に測定できるようになった。
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