研究課題/領域番号 |
10555100
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
尾嶋 正治 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30280928)
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研究分担者 |
小野 寛太 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (70282572)
藤岡 洋 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (50282570)
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キーワード | シンクロトロン放射光 / MOSトランジスタ / ゲート酸化膜 / 密度内関数法 |
研究概要 |
本研究は、シンクロトロン放射光分光測定と電気測定という異なる分野の新しい測定手法を統合的に用いることによって各種プロセスで作製した極薄絶縁膜の界面特性とその信頼性を評価し、21世紀の超微細MOS素子の実現に必要な絶縁膜プロセスを完成させることを目的とする。 平成10年度では高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所において超高分解能軟X線/VUVビームラインを建設し、分解能16,000という単色光の利用を可能にした。このエンドステーションにMBE装置、プラズマ酸化/窒化装置と組み合わせた角度分解光電子分光装置を設置し、まず金標準試料を用いて全分解能を評価し、低温10Kにおいて分解能が20meVで光電子分光測定が可能であることを実証した。次に、SiO2薄膜(20Å)とSi基板界面に偏析したリン原子の深さ方向分布測定を行った。さらに、偏析不純物のサイトを決定するため、EXAFS、光電子分光、および密度汎関数法バンド計算(3次元周期ポテンシャル)を行い、tetrahedral位置が安定であることを見出した。 一方、各種溶液(塩酸、硝酸、硫酸)で形成したSi酸化膜中の正孔トラップを評価する手法を新たに開発した。これはX線光電子分光ピークの時間経過を解析する手法で、硫酸酸化膜の正孔トラップが約10^9cm^<-2>と最小であること、および赤外吸収で求めたSiH2濃度とよく対応することを見出した。平成11年度は放射光ビームラインに電気特性測定装置を設置して、放射光励起の新しい電気特性評価法の開発を目指す。
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