熱CVD法によって得られるポリパラキシリレン(PPX)薄膜を層間絶縁膜として三次元的な多色発光素子の形成を可能とする装置の作成を目指した。本装置は有機蒸着部、金属蒸着部、層間絶縁膜形成部から成る。今年度は一体型真空蒸着装置の設計と組み立てを行った。 予算の関係上、実機に相当する大きさの実験装置の作成は断念した。また、有機薄膜用真空蒸着装置と金属蒸着用真空蒸着装置の真空排気系を一体化し、コストを低減するとともに、ターボ分子ポンプを共用することで真空系の質を高めた。有機蒸着源は計8個を有し、金属蒸着源は3個を有する。有機蒸着は独立に3源を同時に蒸着することができる。金属蒸着は独立に2源を同時に蒸着することができる。ベルジャーを一つにし、基板を回転することにより、有機蒸着→有機蒸着→金属蒸着を順に蒸着し、素子を形成する。形成後、層間絶縁膜形成部に移し、PPXをコートする。この後、上部電極としてITO電極を形成し、再度素子を形成する。現在、回転機構、移動機構のチェック中であり、次年度に素子形成を行う予定である。
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