研究課題/領域番号 |
10555109
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中村 僖良 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00005365)
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研究分担者 |
戸叶 裕一 (株)トーキン, 商品開発研究所, 研究員
本郷 哲 宮城工業高等専門学校, 情報デザイン学科, 講師 (80271881)
山田 顕 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80134021)
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キーワード | SH型弾性表面波 / KNbO_3結晶 / WDM光通信用波長可変フィルタ / Y-X LiNbO_3結晶 / ZnO薄膜 / 光導波路 / 音響光学効果 / Ti拡散 |
研究概要 |
本研究の目的は、純粋の横波表面波である高結合SH型弾性表面波を光波と相互作用させ、弾性表面波の周波数を変えることにより特定の波長の光信号のみを選択的に取り出すことが可能な大容量WDM光通信用波長可変フィルタを開発することをにある。本年度に得られた成果、知見を以下に要約する。 1. KNbO_3結晶におけるSH型弾性表面波の伝搬特性ならびにそのカット角依存性の解析Z-axis cylnderカットに純粋な横波表面波であるBGS波が存在し、その電気機械結合係数が53%と極めて大きいことを明らかにした。また、この波は従来の6mm結晶のBGS波と大きく異なる特徴を持っていることを示した。特に、短絡表面の場合には全てのカットにBGS波が存在するが、自由表面の場合にはXカットとYカットのごく近傍にのみBGS波が存在することを明らかにした。 2. Y-X LiNbO_3基板のSH型弾性表面波の伝搬特性の解析 Y-XLiNbO_3基板には擬似弾性表面波が存在するが、基板表面に横波速度の遅いZnO膜を付けることにより擬似弾性表面波が減衰のないSH型弾性表面波になること、またその電気機械結合係数はZnO膜厚が0.1λ付近で21.4%と非常に大きくなることを明らかにした。 3. SH型弾性表面波と光波の音響光学相互作用 KNbO_3結晶のZ-axis cylinderカットにおいてBGS波と光波の相互作用により生ずる屈折率変化の解析を行い、従来のレイリー波を用いた場合よりも1桁以上大きな音響光学効果が得られることを明らかにした。また、ZnO/Y-XLiNbO_3結晶についても同様の研究を行った結果、SH型弾性表面波と光波の相互作用により、従来のレイリー波を用いた場合より効率よくTE-TM光モード変換が起こることを示した。 4. 光導波路の作成 KNbO_3結晶は相転位温度が低く、現時点では光導波路の作成が困難であることから、まず高結合SH型弾性表面波が存在するZnO/Y-XLiNbO_3構造を利用することを考え、Ti拡散により光導波路の作成を行う之ともに、拡散層の厚さや等価屈折率の測定を行い、光導波を確認した。
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