研究課題/領域番号 |
10555129
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
多氣 昌生 東京都立大学, 工学研究科, 教授 (60145670)
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研究分担者 |
鷲津 正夫 京都大学, 工学研究科, 教授 (10201162)
宮越 順二 京都大学, 医学研究科, 助教授 (70121572)
渡辺 聡一 郵政省, 通信総合研究所, 研究官
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キーワード | 高周波 / 電磁界 / 生体影響 / 曝露装置 / 非熱作用 |
研究概要 |
昨年度の研究成果を踏まえ、製作した円筒導波管型の細胞用マイクロ波曝露装置による曝露特性の解析および実験的測定をさらに詳細に行った。数値解析では、昨年度までの一次元線路モデルおよび二次元時間領域差分法(FDTD)解析より詳細な、三次元FDTD解析を行い、解析精度を高めた。また、サーモグラフ法により、培地での電力吸収分布を可視化し、TE01モードによるSAR分布が実現されていることを確認した。さらに三次元微小挿入プローブを用いて内部電界分布を実測し解析結果と比較した。その結果、本装置はほぼ設計どおりの仕様を満たすことが確認できた。また、所望の電界強度(またはSAR)を得るために必要な条件が確立された。本装置の仕様と解析結果をトロントで開催された電波科学連合(URSI)総会で発表した。 また、昨年度の段階で未解決であった、信号源との整合の問題について、冷却液にエチレングリコールを混合して、冷却水での電力吸収の低減と整合の向上を図る方法を試みた。整合条件の改善に有効な面もあったが十分とはいえず、取り扱い上の問題もあったことから、この方法を断念し、スタブ整合器を導入して整合問題を解決した。さらに、円筒導波管内がインキュベータとして適した環境になっていることを細胞培養試験により確認し、本実験が実施できる条件を確立した。最終年度では、細胞レベルでの実験が中心となる。担当の研究分担者は既にさまざまな細胞実験の準備を終え、生物実験をスタートしており、次年度(最終年度)の成果が期待されている。
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