本研究では、含浸型・塗布型・粉体型の3種類の誘導加熱用磁性木材を作製し、これらの磁気特性を明らかにした。 さらに、誘導加熱用木質ボードと励磁コイルの形状・寸法および構成や励磁条件に関する基礎特性を明らかにした。以下に誘導加熱用磁性木質材の発熱特性について明らかになった事項を述べる。 (1) 誘導加熱用磁性木質材の磁気特性と発熱特性 含浸型・塗布型・紛体型の各磁性木材の磁気特性を比較しさらに各発熱特性を比較検討し発熱ボードとしての性能評価を行った結果、現状では塗布型が比較的すぐれていることが明らかになった。 (2) 誘導加熱用励磁コイルと励磁周波数 ソレノイド型・スパイラル型・ミアンダ型の3種類のコイルを用いた結果、発熱特性である表面平均温度と温度分布(均一性)から判断して、ソレノイド型およびスパイラル型が発熱ボード用励磁コイルとして優れている結果を示した。 励磁周波数は500kHz、励磁電流2Aで、ほぼ室温から20℃の表面温度上昇が得られた。
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