研究分担者 |
萩原 義裕 東京農工大学, 工学部, 助手 (80293009)
清水 昭伸 東京農工大学, 大学院・生物システム応用科学研究科, 助教授 (80262880)
縄野 繁 国立がんセンター東病院, 放射線部, 医長
武尾 英哉 富士フィルム株式会社, 宮台技術開発センター, 研究員
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研究概要 |
本年度はこれまで開発を進めてきた診断支授システムの改良を要する点の解決に主力を注いだ.腫瘤影検出システムにあっては,腫瘤候補領域検出ミスを一層減らすために,新たに適応リングフィルタを開発した.これはアイリスフィルタと同様に勾配ベクトルの集中性を評価する適応性を持ったフィルタであるが,アイリスフィルタとは異なり,計算領域がリング状になっており,腫瘤中央部のフィルム濃度の不整に対しても,影響されにくい.実際の多量の画像を用いた実験により,従来のアイリスフィルタでの検出ミスを大幅に削減できることを示した.また,乳房内の領域を分割し,乳腺や脂肪,胸筋部分を類別した処理手法の導入をはかるためのアルゴリズム開発をすすめた.微小石灰化像検出システムにおいては,微弱な石灰化像を安定に検出するための新たなモロフォロジーフィルタを開発し,検出精度を一層向上させうる見通しを得た.さらに,粗大石灰化像を検出するためのアルゴリズムを開発し,これまで粗大石灰化像の一部が誤って微小石灰化像として検出されるようなケースでも,それを防ぐことができることを示した.これらの成果は,大量のデータを用いてその効果を確認する必要があり,従来のソフトウエアシステムに組み込みつつある.
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