研究分担者 |
小野寺 久 京都大学, 大学院・医学研究科, 講師 (50240825)
前谷 俊三 天理よろづ相談所, 医学研究所, 副所長 (10115933)
古谷 栄光 京都大学, 大学院・工学研究科, 講師 (40219118)
今井 豊 島津製作所, 医用技術部, 課長
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研究概要 |
本研究では,手術中の低血圧維持を行う血圧制御システムを,汎用性のあるものとすることを目的として,(a)危険回避機能の高度化,(b)個体差への自動対応機能の改良,(c)システムの小型化,(d)インターフェイスの改良を行った.それぞれに関して,次のような成果があった. (a)前年度に行った輸血の指示を行う機能に加えて,降圧剤最大注入速度の自動調整機能を作成,付加した.このことにより,手術操作,手術台の移動,薬剤の注入などに伴う一時的な血圧上昇時に過剰な降圧剤注入が行われなくなり,システムの安全性が向上した. (b)危険回避機能の高度化に伴い不十分となった制御装置のゲイン自動調整アルゴリズムを変更した.このことにより,血圧が目標値を下回った場合にゲインが十分小さくなるように調整され,安全性が向上した. (c)システムの小型化のため,コンピュータをノート型パソコンとし,それに合わせてシステム構成を変更した.また,プログラムをノート型パソコンで使用できるように変更した.このことにより,全体のサイズが1/3程度になり,可搬性のよいシステムとなった. (d)システムのコマンド入力をマウスで行えるようにした.また,誤った入力が行われないよう,入力値が異常でないかを判断する機能を付加した.このことにより,医師にも容易に操作できるようになった. 以上のように,本研究で開発した血圧制御システムは,安全性,操作性ともに目標としていたレベルに到達したと考えられる.
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