不連続性岩盤構造物に対する解析手法の確立と設計法の提案

1998 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 10555151
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 堀井 秀之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10181520)
• 研究分担者: カベレ ペトル 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (80280931) ; 吉田 秀典 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (80265470)
• キーワード: 亀裂性岩盤 / MBCモデル / 空洞掘削 / 岩盤力学 / 設計法 / 解析手法

研究概要

解析手法の開発と既存の地下発電所の掘削解析
マイクロメカニクスに基づく連続体理論による岩盤の解析手法を2次元から3次元に拡張した。その解析法を用い、既存の地下発電所の掘削解析を行い、解析結果とその計測結果との比較を行った。卓越するジョイントの走向がトンネル軸と平行でないケースの計測データ、地下空洞棲側の計測データなど、3次元性が現れている実測データと解析結果を比較することにより、3次元解析の妥当性を検証した。
計測法の開発・実証:現場計測
ボアホールスキャニングシステム(BSS)とマッチング法を組み合わせた計測システムを開発した。ボアホールスキャナーの位置確定には高精度リニアエンコーダーを用いた。開発した計測法の有効性を実証するために、地下空洞掘削の現場で計測を行った。掘削の各段階で画像を取得し、それをマッチング法により比較することにより測線に沿った変位場を計測した。その不連続量としてジョイントの開口変位を求め、解析結果と比較した。

研究成果

• [文献書誌] J.Vychytil and H.Horii: "Micromechanics-based continuum model for hydraulic fracturing of jointed rock masses during HDR stimulation" Mechanics of Materials.28. 123-135 (1998)
• [文献書誌] H.Horii,K.Takamatsu,J.Inoue,and N.Sasaki: "Measurement of displacement field by “Matching Method" and observation of strain localization in soft rock" Proceedings of Second International Conference on Imaging Technologies,Davos Switzerland,May 25-30 Edited by J.D.Frost and S.McNeil,ASCF. 10-19 (1998)
• [文献書誌] H.Horii,J.Inoue and M.Brocca: "Thermomechanics Based Theory and Analysis of Cracking Localization in Concrete Dam under Earthquake Excifation" Material Instabilities in Solids,R.de Borst and E.van der Giessen eds.,John Wiley & Sons,Chapter 9. 125-136 (1998)
• [文献書誌] H.Yoshida and H.Horii: "Micromechanics-based continuum analysis for the excavation of large-scale underground cavern" Proc.of SPE/ISRM Rock Mech.in Petro.Eng.,8-10 July 1998,Trondheim,Norway,1. 209-218 (1998)
• [文献書誌] 吉田秀典、日比野繁信、堀井秀之、工藤径奎吾: "トンネル掘削時の内容変位を用いた解析パラメータの同定法" 土木学会論文集. No.596 III-43. 11-27 (1998)
• [文献書誌] 吉田秀典、堀井秀之: "地盤材料に対するマイクロメカニクスに基づく連続体モデル" 応用力学論文集. Vol.1. 527-536 (1998)