研究分担者 |
岡村 未対 国土交通省, 土木研究所, 主任研究員
桑野 二郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (30178149)
日下部 治 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40092548)
三宅 達夫 東洋建設, 技術研究所, 所長
高橋 章浩 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (40293047)
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研究概要 |
平成11年度に判明した振動台回転拘束用の平行リンク機構の問題点,即ち,水平変位のみを与えた場合に台が水平方向にねじれるように回転し,鉛直変位が生じてしまうことについての解決策として,平行リンクにシャツクルリンクを取付け,大きなねじれ現象はほぼ解消を図った.次いで1g,50g場において高周波数での振動を行い,水平振動のみ,鉛直振動のみ,並びに同位相,及び逆位相の水平-鉛直混合振動の入力が行えることを確認した.遠心場での水平-鉛直2方向振動の制御は世界で初の達成である. この振動台を用いて,昨年度と同様な鉛直法面を有するジオグリッド補強盛土に対して2方向振動実験を行った.模型寸法は昨年度と同じであるが,本装置では構造上水平,鉛直について大きな平加速度を同時に入力することができないので,遠心加速度を昨年度の50gから30gに落した.更に補強材の剛性も低下させて模型を作製した.これに対して,水平振動のみ,鉛直振動のみ,並びに同位相,及び逆位相の水平-鉛直混合振動,計4種類の正弦波を入力し,補強土地盤の地震変形挙動を観測した.その結果,以下のことが分かった. (1)水平振動で大きな変形が生じた加速度の鉛直振動を入力しても,補強土擁壁の変形は非常に小さく,水平振動が補強土盛土の安定性と直接関係している.(2)しかし,水平-鉛直同時入力の場合,位相差によって変形量が大きく異なり,斜面方向の水平加速度と上向きの鉛直加速度が同時に作用する大きな変形が生じ,,逆に下向きの同時に加速度が作用すると,変形はかなり小さくなる.この原因として,補強土剛性が鉛直有効圧に大きく影響を受けることが考えられ,これを示唆する結果が別に行ったひずみゲージ付きの補強土盛土の実験からも得られた.
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