研究分担者 |
桑野 二郎 東京工業大学, 工学部, 助教授 (30178149)
竹村 次朗 東京工業大学, 工学部, 助教授 (40179669)
日下部 治 東京工業大学, 工学部, 教授 (40092548)
小林 一三 東京工業大学, 工学部, 助手 (20303258)
高橋 章浩 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (40293047)
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研究概要 |
平成11年度は別当谷と甚之助谷に挟まれた中間尾根を含む地域のすべり面の分布を求め,尾根の移動との関連性を調べ,また,河床がすべり面に到達するのを防ぐうえで堰堤が果たしている効果について,浸食量を定量的に検討した.甚之助谷に合流する万才谷は甚之助左岸大規模ブロックの背後を通っており,万才谷が浸食され,後退することによってこの大規模ブロックが不安定になることから,谷の後退状況についても検討した. 踏査,地中変位計の計測結果,この地域を写した航空写真から,尾根の滑り面ならびに3〜4万年(溶岩堆積時)前の地形の推定を行い,浸食量の推定を行った.浸食量を算出するにあたっては,解析プログラムであるSAFE DRAWを利用した.浸食状況をまとめると甚之助谷・万才谷ともに過去の浸食状況(浸食前の地形から算出した3〜4万年間に浸食した量)と現在の浸食状況(1976年と1999年の航空写真から推定した浸食量)に大きな違いはないと考えられ,今後も同じようなオーダーで浸食が行なわれて行くものと予測され,砂防工事計画を行なうにあたっての指標と成り得るデータを得ることができた.また砂防堰堤が施工されている範囲の甚之助谷の河床低下は施工されていない部分に比べて低く抑えられていることから,谷の浸食を防ぐ上で十分な効果を発揮していることが実証された.
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