研究分担者 |
桑野 二郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (30178149)
竹村 次朗 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (40179669)
日下部 治 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40092548)
小林 一三 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (20303258)
高橋 章浩 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (40293047)
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研究概要 |
これまでの観測によって,白山では1500-2000mの高度帯で,3ケ所の巨大山崩れが現在進行中であり,広範囲の地表が山裾方向にずり落ち,その移動量は年間300mmに達することが確認された.さらに,地山の内部に存在する断層・亀裂がすべり面となり,断層・亀裂にはたらく強大な水圧が巨大な岩盤ブロックをすべらせようとするという白山における山岳崩壊メカニズムを解明した.平成12年度では,白山山系の断層・亀裂の位置と角度を調査し、断層・亀裂とそこに作用する水圧、および亀裂内地盤材料の強度を入力した膨大な数値地形情報を作成してきた.数値地形情報を極限つりあい解析に供することにより,山岳崩壊の力学機構を定量的に把握できる.山岳崩壊の数値シミュレーション・続いて発生する土石流による被害想定シミュレーションが実用レベルに達したといえよう.山岳崩壊・被害想定シミュレーションの妥当性を確かめ、結果の信頼性を高めるにはフィードバック機構を必要とする.力学理論・現地調査で得られた知見を計算機によって再構成し,山岳崩壊進行のシミュレーションと現地計測データの比較により,今後の効果的な災害対策を実証的に検討し得るシステムの構築を行った.全国各地にある土石流被害想定地域に適用することにより,今後の多大な需要が創出されるものと期待される.
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