研究課題/領域番号 |
10555163
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
本城 勇介 岐阜大学, 工学部, 助教授 (10251852)
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研究分担者 |
鈴木 誠 清水建設, 和泉研究室, 主任研究員
神田 政幸 東京工業大学, 工学部, 助手 (10282823)
正垣 孝晴 防衛大学校, 土木工学教室, 助教授
桑原 文夫 日本工業大学, 工学部, 教授 (60101200)
日下部 治 東京工業大学, 工学部, 教授 (40092548)
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キーワード | 限界状態設計法 / 杭基礎の水平耐力 / 性能設計 / 信頼性解析 / Fragility曲線 / 耐震設計 / 遠心力載荷試験 / 杭の水平地盤反力係数 |
研究概要 |
本研究の目的は、ユーロコード、ISOなど限界状態設計法に基づいた設計コードの急速な世界的普及の状態を踏まえ、我が国の基礎構造物の共通モデル・コードとなりうるような、限界状態設計法のフォーマットで書かれた、設計コードのひな型を提案することである。特にこのとき、我が国では歴史的な経緯により分化してしまっている、道路・港湾・鉄道・建築の各設計基準の統一を計りうるような設計法を提案することと、我が国が世界に誇りうる、耐震設計法の考え方のエッセンスが示されるような設計法が表現されるよう留意する。この2年間の研究では、耐震設計と最も関係が深く、また基礎構造物の中で最も典型的かつ使用頻度も高い、杭の水平抵抗力の設計法の問題を研究の対象としている。研究の遂行に当たっては、年2回(7.3月)に研究実施者全員による合宿を行ない、全体の調整を計っている。2年間の研究の1年目に当たる平成10年度の研究で実施した主な内容は、次の通りである。 (1) 米国及び欧州の当該分野の専門家を訪問し(H.10.10)本研究計画のレビューを実施し、また合わせて現況を調査した。特に米国における性能設計の進捗状況、欧州のユーロコード1(基本)、7(地盤)、8(地震)の情報を収集した。この結果に付いては報告書を作成した。 (2) 性能設計のコンセプトを取り入れた限界状態設計法を杭基礎の水平抵抗力の評価に取り入れる研究を行なった。この研究では、計算モデル、各限界状態の定義と予測精度、各基本変数の不確実性の各限界状態の予測の精度に与える影響等を解析した。このモデルは、2年目の研究段階では、より精緻化される。 (3) 砂地盤での遠心模型実験を用いた杭の水平載荷試験の実施による、杭の水平抵抗の予測精度検討。載荷は、杭の破壊時までのものを含む(東工大で実施)。破壊のモードや、地盤反力係数の取り方に付いての検討を行なっている。 平成11年度は、平成10年度に得られた試験結果、概略解析結果、知見をもとに、信頼性解析の精度の向上を計り、さらにありうべぎ設計コードの雛形の作成を試みる。なお、成果は地盤工学会、土木学会等のしかるべき機会に、順次公開する。
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