研究課題/領域番号 |
10555165
|
研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
中井 照夫 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (00110263)
|
研究分担者 |
E. Q. Chowdhury 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (60314077)
張 鋒 岐阜大学, 工学部, 助教授 (70303691)
橋本 正 財団法人 大阪土質試験所, 所長代理
|
キーワード | 掘削 / 山留め / 有限要素解析 / モデル実験 / 土圧 / 地盤の変形 / 土の構成式 |
研究概要 |
地下開発を含め種々の掘削工事が行われるが、掘削工事においては、安全性、経済性とともに地盤の変形予測が大切となる。しかし、山留め掘削問題の実務では、ランキン土圧等の古典的塑性論と弾性梁とバネ支承を組み合わせたバネ・梁モデルで山留め壁の設計を行い、掘削近接地盤の地表面沈下については地盤条件と掘削深さ等を考慮して経験的に予測されているにが現状である。近年有限要素法等による掘削地盤の変形解析も行われるようになってきたが、解析手法と地盤材料の構成式の問題などで実務の設計そのものに組み込まれるまでには至っていない。 本研究では、まず地盤材料の構成式とその応用に関する今までの研究成果をベースに、地盤の掘削問題を地盤と構造物の相互問題としてとらえ、地盤材料の変形・強度特性、山留め壁の剛性、山留め壁と地盤の摩擦特性、施工プロセス等を考慮した有限要素解析を行い、掘削時の地盤および構造物の応力・変形挙動を解析的に調べた。そして、これらの解析結果を掘削過程をシミュレイトできるモデル試験の結果と比較することにより、解析法の妥当性を実験的に検証するとともに、掘削時の壁体および地盤の変形メカニズムを解析・実験の両面から明らかにした。また、既往の設計法による結果との比較も行い、個々の設計法の限界、問題点についても検討した。以上、地盤材料の物性、山留め壁や切り梁の剛性、境界面の摩擦特性を総合的に評価できるここでの解析法では、これらの諸要因が掘削地盤の応力・変形挙動や土圧の発生機構におよぼす影響を定量的に評価でき、山留め壁や切り梁の剛性、施工プロセスを変えたパラメトリックスタディーを行うことにより、個々の地盤の諸条件に適した物理的意味の明確な、山留め掘削技術の開発が可能となる。
|