研究課題/領域番号 |
10555168
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
地盤工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田村 武 京都大学, 工学研究科, 教授 (30026330)
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研究分担者 |
木村 亮 京都大学, 工学研究科, 助教授 (30177927)
建山 和由 京都大学, 工学研究科, 助教授 (10179731)
足立 紀尚 京都大学, 工学研究科, 教授 (20026173)
小林 俊一 京都大学, 工学研究科, 助手 (10243065)
岸田 潔 京都大学, 工学研究科, 助手 (20243066)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | トンネル / NATM / 土圧 / 吹き付けコンクリート / 覆土 / 土被り / ゆるみ / 地盤反力 |
研究概要 |
本研究では、被りの浅い未団結地山を想定して柔な支保と地山の相互作用について検討した。 用いたモデル計算によれば、吹き付けコンクリートによる支保の効果は地山の反力との相互作用を通してはじめて発揮されることがわかった。本研究の結論を以下に記す。 1.地盤反力と支保の相互作用がトンネル周辺の力学的安定にとって本質的である。 2.地盤反力はアーチ支保に発生する変形を抑止し、曲げモーメントを軽減する。 3.圧縮による破壊(圧壊)を考慮しなければ、相当薄い吹き付けコンクリートであってもトンネルを安定に保つ能力がある。 4.厚さの大きな支保では、薄い支保と比べて大きな曲げモーメントが発生し曲げ破壊を起こしやすくなることがある。 5.曲げモーメントによる引っ張り破壊は避けられなければならないが、たとえ生じたとしても安定な構造を保持させるためには十分な反力がとれるような地山の状態が必要である。 これらは極めて単純なモデルを通して得られた結論であって、実際のトンネルの設計にそのまま適用されるものではない。たとえば、切羽の存在など施工過程を考慮していないから、トンネル切羽の安定性を考慮する場合には別の角度からの慎重な確認が必要である。しかし、本研究の内容は、NATMによって施工されるトンネル周辺の力学的現象の一面を把握しているものも思われる。今後、モデルをより現実に近いものとするとともに室内実験などによりこれらの結果をさらに検討する予定である。
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