研究概要 |
研究期間2カ年目の11年度は,交通管制の実施効果を定量的に評価するための動的ネットワークシミュレーションを構築するとともに,流入制御モデル・動的OD推定手法・ネットワークシミュレーションを交通管制システムモデルとして統合することを試みた.そして,実際の都市高速道路を対象として,その適用計算を行い,本研究課題で提案している交通管制システムモデルの有用性・実用性を検証し,最後に研究成果のとりまとめを行った.具体的には,以下の2つの研究テーマについて取り組んできた. (1)交通管制システムモデルの効果予測を行い,システムの問題点を明確にするため,ネットワークレベルでの評価ツール,すなわちハイブリッド型のネットワークシミュレーションモデルを構築した.これを用いて交通管制実施時の都市高速道路の交通状態を表す各種指標を求めることが可能となった.このシミュレーションモデルは,マクロモデルを基本として,ドライバーの目的地・経路選択を明示的に考慮できるようミクロモデルとしての特徴を兼ね備えたものである.このシミュレーションの実用性を示すため,阪神高速道路池田線を模したネットワークに対する適用計算を行い,渋滞の延伸・解消過程等の記述能力を確認した. (2)10年度に構築した動的流入制御モデルならびに動的OD推定モデルと,上記(1)のネットワークシミュレーションを統合し,リアルタイム交通管制システムモデルを構築した.阪神高速道路等の実データを用いて,この交通管制システムモデルのケーススタディを行い,その実用性ならびにモデルの適用限界等について,確認を試みた.
|