研究分担者 |
小松 俊哉 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (10234874)
下村 匠 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (40242002)
丸山 久一 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (30126479)
阿部 清一 株式会社 クボタ, 環境プラント事業部, 副部長
亀屋 隆志 横浜国立大学, 工学部, 講師 (70262467)
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研究概要 |
本年度は,昨年度の成果をふまえ,溶融技術の最適設計手法の確立,溶融操作・焼却灰の組成とスラグ品質の関係,及び高流動コンクリートと窯業原料化等新利用技術について実験・研究を実施した。溶融操作,焼却灰組成がスラグ品質に及ぼす影響を総合評価するため,1)焼却灰の溶融特性,2)スラグの物理的強度,3)溶出試験によるスラグの環境安全性を評価した。 (1)溶融特性に及ぼす焼却灰主成分の影響 塩基度0.32〜1.61の範囲では,Al_2O_3量10モル%付近で溶融点が極小値を示す。ただし,アルミニュームはNa_2O等のアルカリ酸化物の共存により拝趨が変化する。 (2)スラグの物理的強度 スラグ強度はSi,Ca,Al等が複合結晶として析出している場合,結晶化度と物理強度に相関性が存在する。 結晶が進行しても,結晶鉱物種により強度は左右される。 (3)スラグの環境安全性 鉛の環境安全性は,溶融雰囲気に左右される。還元雰囲気出は鉛の溶出は軽減されるが,他の重金属の溶出量は酸化雰囲気の方が軽減される。また,還元雰囲気では低沸点物質が飛灰に移行するので,スラグ化率は低下する。 (4)総合評価 スラグの総合評価では,すべての項目が最良となる焼却灰の調整,溶融操作は存在しなかったが,使用目的に応じて,最適な焼却灰の調質,溶融操作が体系づけられた。 高流動コンクリートへのスラグ粉体の適用では,高流動モルタル性状を誌と等しくするのに必要な水量は,開発した水膜モデルを用い,粉体の粒度分布から推定できること,また,水膜モデルを高流動コンクリートへ適用することにより,フレッシュ性状を等しくするコンクリートの水量を算定することを明らかにし,設計手法を確立した。窯業原料化への適用研究では,低温域においてタイルへの適用を確立した。
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