研究分担者 |
荒木 信夫 長岡工業高等専門学校, 環境都市工学科, 助教授 (30193072)
関口 勇地 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (20313570)
原田 秀樹 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (70134971)
屋井 裕幸 東急建設株式会社, 技術本部・第五課, 研究員(研究職)
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研究概要 |
開発途上国では,都市への人口集中によって都市域の水質汚濁問題が深刻化し,生活環境の悪化のみならず,健康への脅威にもなっており,"適切"な下水処理システムを整備してゆくことが緊急課題となっている。途上国での下水処理システムを普及させていくためには,地域の経済構造,社会構造等の実状に適した技術を創生しなければならない。本提案処理プロセスは,UASB法とスポンジ懸垂型リアクターを組み合わせた,エアレーション不要・余剰汚泥生成ゼロの省エネルギー・低環境負荷型の新規下水処理装置であり,途上国に適用可能な超低コスト型新規下水処理システムの実用化に向けた技術の創成を目的としている。 新規下水処理装置のセミパイロット・スケール(UASB180l容量+スポンジキューブ懸垂型リアクター(1.5cmスポンジ90個,2m))を下水処理場に設置し実下水を用いて長期の連続運転を実施している。本処理プロセスは6ヶ月間の運転期間中は汚泥を一切引き抜かず,余剰汚泥発生ゼロであり,水質も良好であった。 スケールアップの実用的を図るためにスポンジキューブ懸垂型リアクターを改良したカーテン型リアクターを考案し,同様な処理実験を行っている。その結果,現在もスポンジキューブ型と同様な性能が得られている。 本プロセスの処理性能が良好なメカニズムは微生物がスポンジ内に高濃度に保持されていることが大きな要因であると分かった。また,酸素微小電極を用いてスポンジ内の酸素濃度を測定したところ,内部にも酸素が供給されており,エアレーション不要でも酸素取り込み機能が優れていることも重要な原因であることが分かった。そこで,この酸素供給機構を表現するモデルを構築し,検証を行った。このモデルを活用することで,最適な装置設計が可能となった。
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