研究概要 |
環境解析機能及び解析結果の統合,蓄積,編集機能を有するシステムの構築を目標に、PC上で地理情報システム(GIS)をプラットフォームにした統合的環境情報システムの設計及び開発を行った。情報システムの開発環境としては、Database EngineとしてACCESS97(Jet)を用い、GIS機能はSISV4.lJを用いる。これらはVisual Basic 6.0によるユーザーフレンドリーなGUIを実現することで、各アプリケーションの高度な操作方法を知らなくても作業が行える環境を与えるとともに、効率的なデータを更新、修正などのデータベースのメンテナンスも容易に行える設計としている。 本研究で開発したシステムは、各種の統計データ,地図データ,テキスト・画像データをデータベースとして蓄積し、各解析空間(国レベル,地域レベル,都市レベル)でデータを表示する。数値データの表示方法としては、数字をそのまま表示する方法以外に、地図表示や、時系列分析,セクター分析を行うためのグラフ表示などがある。データベースと研究フレームをリンクするメタ情報は、データベースから研究に必要な解析空間ごとのデータの組み合わせを抜き出し、表示するのに役に立つ。また、研究に用いるデータがどの程度そろっているかがわかり、不足しているデータを効率よく補充することができる。メタ情報の基本フレームとしては、環境庁が提案しているDPSERモデルを採用する。これは、環境問題の原因から影響、対応に至るまで流れを、因果関係という切り口で体系的に表すフレームである。これに基づき、アジア地域を対象として研究課題ごとに、研究フレーム,分析フレームをメタ情報として蓄積し、データベースと研究フレームをリンクさせている。 システムに入力されたデータは、入力時につける行政コード,項目種別コードなどにより各解析空間(国レベル,地域レベル,都市レベル,あるいは地理情報)、さらに、各項目種別(経済,産業,エネルギー,環境,環境管理など)に分類され、データベースに保存される。例えば、中国の一人当たり一次エネルギー消費量は、国レベルのエネルギー指標に分類される。また、標高(地形データ)は国・地域・都市レベルのいずれにも該当しない地理情報の環境指標に分類される。
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