研究課題
海岸線における飛砂の間題は、従来から近隣の住民にとって重大な問題であった。特に冬季の季節風が強い日本海側地方では、その被害は深刻である。本研究では、産業廃棄物(酸性白土から石鹸等の化学製品を製造する過程で生成される土塊(粒径5〜30mm)。無害)を散布することにより、地表面の粗度長を大きくして地表面付近の風速を減じ、飛砂発生を抑制するという新しいタイプの飛砂防止対策の実用化を図る。本年度の成果は以下の通りである。(1) CFDによる飛砂防止工法の最適化位置と飛砂防止効果の関係をCFDに基づく数値解析により調べ、この結果と初年度の成果を基に、最適な粒径、密度、散布位地(範囲)等を明らかにした。これを行うためにシミュレーション用の計算機を1台購入。(2)飛砂防止工法の風洞実験による検証・風洞内において、本工法を実際に施工し、その飛砂防止効果を確認した。(3)現場測定による本工法の有効性の検証・実際の砂地造成地に、産業廃棄物である土塊を散布し、風速・飛砂量の測定結果により、本工法の飛砂防上効果を詳細に検証するとともに、工法として確立するための基礎資料を蓄積した。また砂地緑化の効果を確認するために、砂地や砂浜に種子を植え、生育状況を観察した。さらに、緑化による温度低下や湿度上昇が周辺の環境に及ぼす影響を調べる目的で温熱環境測定も行った。(4)効率的な施工方法の検討・今回の飛砂防止方法では、土塊をいかに均一に安価に散布するかも重要な問題となる。ここでは建設工事用のクローラダンプを応用した施工方法を開発した。
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