研究概要 |
優れた磁気特性を有するサマリウム-鉄一窒素系侵入型金属間化合物であるSm_2Fe_<17>N_XまたはSm_2(Fe,CO)_<17>N_Xからボンド磁石を作製し、その磁石性能を評価した。 まず、上記の金属間化合物の保磁力発生機構はニュークリエーション型であるため、実用に十分な保磁力を得るには試料の粒径を2μm前後まで粉砕する必要があり、界面活性剤を含むボールミル粉砕により所望の粒子径まで粉砕した。さらに、得られた金属間化合物微粉末表面をジエチル亜鉛の光分解で生成する亜鉛金属で被覆することで安定化した。これにより、zn/Sm_2Fe_<17>Nでは最大エネルギー積(BH)max値として〜320kJm^<-3>、Zn/Sm_2(Fe,Co)_<17>N_Xでは(BH)max値として〜365kJm^<-3>の値が達成できた。次に、これらの粉末を用いてエポキシ樹脂あるいはインジウム金属(融点157℃)をバインダーとしてボンド磁石を作製した。その結果、所定温度で温間磁場中プレスを行うことにより、樹脂あるいはインジウム金属の流動性が増大し、微粉末が高度に配向するとともに、密に充填したボンド磁石が得られた。観測された密度はZn/Sm_2Fe_<17>N_xでρ=〜6.4gcm^<-3>、Zn/Sm_2(Fe,CO)_<17>N_Xでp=〜6.4gcm^<-3>にも達し、zn/Sm_2Fe_<17>NxおよびZn/Sm2(Fe,CO)17NXの樹脂ボンド磁石で(BH)max=〜186kJm-3、同様にinメタルボンド磁石で(BH)max=〜152kJm^<-3>という、これまで同化合物で報告された(BH)max値の中で最大のものであることが明らかとなった。また、これらは良好な熱安定性を示した。
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