研究課題/領域番号 |
10555221
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
菅原 義之 早稲田大学, 理工学部, 教授 (50196698)
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研究分担者 |
杉本 渉 信州大学, 繊維学部, 助手 (20313843)
黒田 一幸 早稲田大学, 理工学部, 教授 (90130872)
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キーワード | 無機-有機複合体 / 層状ペロブスカイト / 有機修飾 / アルコール / カルボン酸 / インターカレーション / 低酸化Nb / 光化学的性質 |
研究概要 |
ポリジメチルシロキサン修飾層状ペロブスカイトの合成 n-デカノールで表面を修飾したH型層状ペロブスカイトH[LaNb_2O_7]と末端にOH基を持つジメチルシロキサン(HO(SiMe_2O)_nH)の反応を検討した。反応性生物は白色の粘性液体であった。生成物のXRD測定では約5nmに回折ピークが現れていたが、ヘキサンで洗浄することにより層間距離は約1.4nmに減少した。赤外吸光スペクトルと固体高分解能NMRでは、ポリジメチルシロキサン鎖の存在が明らかとなった。また、末端がメチル基のポリジメチルシロキサンでは全く反応が起こらなかったことから、反応はデカノキシル基がデカノールとして脱離し、Nb-O-Si結合を生成する形で進行することが明らかとなった。 W系新規層状ペロブスカイトの合成 新規層状ペロブスカイトの合成を目的として、Bi_2W_2O_9の酸処理を行った。6M塩酸で処理を行うことにより、層間距離は2.34nmから2.22nmへ減少し、これを乾燥することによりさらに1.88nmとなった。 熱重量分析の結果を合わせると、風乾状態での生成物はH_2W_2O_7・0.58H_2Oであると考えられた。走査型電子顕微鏡で形態を観察したところ、酸処理前後で目立った形態の変化は認められなかった。また、種々のn-アルキルアミンと反応させたところ、層間距離の拡大が認められた。以上の結果より、反応は選択的にBi_2O_2層が溶出し、電荷補償のために層間にプロトンが導入されることにより進行したものと推定された。
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