研究課題/領域番号 |
10555222
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
黒木 重樹 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (30293046)
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研究分担者 |
安藤 慎治 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (00272667)
安藤 勲 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (20016637)
澤田 孝 株式会社日本電信電話 基礎技術総合研究所, 研究主任
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キーワード | (1)ポリイミド / (2)金属微粒子 / (3)光学的性質 / (4)偏光特性 / (5)X線分析 / (6)一軸延伸 / (7)銀化合物 / (8)フッ素化高分子 |
研究概要 |
平成11年度は、ポリイミド偏光光学材料の検討として、使用する金属塩を硝酸銀に、またポリイミドを剛直な分子構造を有するフッ素化したPMDA/TFDBに限定して、熱処理の雰囲気、最高熱処理温度とその温度での保持時間、延伸に用いる加重、硝酸銀の濃度等のパラメータを個別に変化させ、調製した銀含有-軸配向ポリイミドフィルムの可視-近赤外域における光透過スペクトル、波長670nm及び850nmにおける偏光特性(消光比)、波長1307nmにおける面内複屈折を測定して、最適な延伸条件の探索を行った。延伸中のフィルムの延伸挙動は熱機械分析装置で記録するとともに、消光比と複屈折の面内分布を自動的に測定するオンライン計測計を自作した。現在までに、波長850nmにおいて100以上の消光比が確認され、開発目標である波長1307nmにおける消光比100以上の達成の可能性が高まった。一方、ファラデー光学材料の検討としては、ポリアミド酸溶液にニッケル、コバルト、鉄の各有機錯体を溶解させ、それをフィルムをした後、窒素雰囲気中約350〜400℃で熱処理して強磁性金属微粒子が析出したポリイミドフィルムを得、それらの近赤外波長における光透過性、屈折率、複屈折性を検討した。その結果、金属の微粒子析出にともなう屈折率と複屈折の上昇が観察され、それらは理論計算からの予測と一致した。しかし強磁性金属錯体を高濃度にドープしたフィルムにおいても期待したファラデー効果(外部磁場の印可による入射偏光面の回転)は観察されなかった。引き続き、使用する錯体の種類、熱処理雰囲気と熱処理条件を変えて、強磁性金属の微粒子がポリイミドフィルム中に析出する条件の探索が必要である。
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