研究課題/領域番号 |
10555223
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
福田 武人 大阪市立大学, 工学部, 教授 (40047155)
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研究分担者 |
北出 真太郎 石川島播磨重工業(株), 技術研究所, 研究員
逢坂 勝彦 大阪市立大学, 工学部, 助教授 (10167299)
元木 信弥 大阪市立大学, 工学部, 助教授 (40221626)
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キーワード | 自己修復 / 損傷 / 複合材料 / 熱可塑性樹脂 / スマートマニュファクチャリング / 形状記憶合金 |
研究概要 |
本研究の目的は熱可塑性の複合材料の損傷を、加熱することによって形状記憶合金(SMA)に回復応力を発生させ、き裂損傷を閉じさせると同時に樹脂を溶融して、損傷を自己修復できる材料を製造する技術を確立することである。本年度は以下のような研究成果を得た。 ○ガラス繊維強化プラスチックにSMAワイヤーを埋め込んで製造する技術を確立した。現在までに、0.2mm径のSMAワイヤーを強化繊維方向に埋め込んで無欠陥のGFRPを成形し、SMAの体積分率20%までのSMA複合材料を製造することができる。また、非接触で変位が測定可能な、ビデオ伸び計を導入して、SMAワイヤーのヤング率の温度変化を詳細に検討し、ヤング率にも大きなヒステリシスが存在することを明らかにした。さらに、SMA複合材料の剛性の温度変化を検討し、温度が上昇すると剛性が増加する、通常と全く逆の機能を持った新しい材料を開発した。 ○ER流体を減衰要素とする高減衰率複合材料を製造して、ER流体と複合材料を一体化するためのマニュファクチャリング技術の検討をおこなった。さらに、ER流体に電場を印加することによって振動制御が可能な新しい機能性複合材料を開発した。 ○オートクレーブを用いたスマートマニュファクチャリングに関連して、種々のモニタリング技術の比較を行い、それらの得失を検討した。特に光ファイバセンサを用いた成形途中の複合材料の種々の状態量のモニタリング能力の確認を行った。光ファイバひずみ計によって、オートクレーブ成形中の内部ひずみのモニタリングが可能であること、また、樹脂の硬化における硬化収縮が計測できることなどを詳細な実験によって明らかにした。
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