研究課題/領域番号 |
10555224
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
三澤 俊平 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (70005982)
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研究分担者 |
鈴木 雅秀 日本原子力研究所, 原子力安全工学部, 主任研究員
小林 秀敏 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (10205479)
臺丸谷 政志 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (40002018)
小林 靖 株式会社 タナカ, 技術部・主任
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キーワード | 微小衝撃試験片法 / 超小型試験片 / 材料局部破壊靱性評価 / 日本刀の強度-靱性 / 日本刀材料試験 / 水素助長脆化 / 臨界水素脆化速度 |
研究概要 |
2年目は、当初に計画したとおり試作完成させたVノッチ付き超小型衝撃微小試験片を用いた動的3m/s〜静的10^<-9>m/sの広範囲に変形速度を連続可変できる3台の動的・静的材料局部破壊靱性試験機を駆使して、以下の2つの実験研究を実施し、研究成果を挙げた。 1 日本刀供試材から、(1.0mm,1.5mm角)x20mm長さの超小型衝撃微小試験片を加工採取して、日本の強度-靱性バランスと刃金用玉綱の折り返し鍛練による炭素量、焼入れ硬さの変化を評価して、研究論文に公表発表した。刃一棟方向に沿った衝撃値測定から、焼入れ部では脆性域、境界部から徐冷部の一部にわたる広領域では延性脆性遷移域、徐冷部では延性域となる。「折れず、曲がらず、よく斬れる」と言われる日本を代表する伝統工芸品である日本刀が有する刃先から棟にいたる優れた高強度・高靱性の傾斜機能的バランスに着目した局部靱性特性を、本研究により金属組織と対応づけて直接評価することができた。 2 あらかじめ水素チャージした低合金高強度綱の水素助長脆化に及ぼす静的・動的変形速度の影響を、系統的に調べた。速い変形速度(2.5〜10^<-5>m/s)の範囲においては、水素チャージ材の破壊工ネルギーは、非水素チャージ材とほぼ同じ値を示す。低い変形速度(10^<-6>〜10^<-7>m/s)で急激な破壊エネルギーの低下が見られ、水素助長脆化を生じる臨界変形速度の存在を初めて明らかにした。10^<-8>m/s以下の極低速度になると、先の破断面からの内部凍結水素の試験片外部への逃散による破壊エネルギーの上昇回復が見出された。
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