| 研究課題/領域番号 |
10555226
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| 研究機関 | 東北大学 |
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研究代表者 |
渡邊 忠雄 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40005327)
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| 研究分担者 |
五十嵐 友一郎 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80005347)
連川 貞弘 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40227484)
藤野 豊 東北大学, 留学生センター, 教授 (60005402)
川原 浩一 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00302175)
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| キーワード | 耐熱材料 / 炭化珪素 / 鉄基合金 / 磁性 / 粒界酸化 / 粒界破壊 / 粒界性格分布 |
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| 研究概要 |
本研究は高温材料の使用環境下で起こる粒界および表面に関わる現象を積極的に制御することにより、耐熱性および耐酸化性を高め、優れた性能をもつ高温材料の設計・開発の基本原理確立を目指して行われたものである。当該年度は鉄基強磁性合金の高温磁気的強化に注目し、高温強度、高温靭性に及ぼす磁性の影響を明らかにすることにより、高温における熱的組織安定性に優れた材料の開発を行うことを目的とした。また、超高温構造材料として期待されている炭化珪素の粒界酸化脆性と粒界微細組織との関連も検討した。得られた結果の概要は以下の通りである。
1高温磁気的強化による鉄基合金の強靭化
Fe-CoおよびFe-Cr合金の磁気モーメントに注目し、Fe-Co合金、Fe-Cr合金の組成を変えることによって、磁気モーメントを系統的に変化させ、高温変形強度および靭性に対する磁気モーメントの影響を調べた。その結果、いずれの合金も、強磁性温度領域では溶質原子濃度の増加とともに固溶強化されるのに対し、常磁性温度領域では固溶強化が起こらず、純鉄とほぼ同程度の強度を示すことが見出された。また、強磁性温度領域における磁気的強化の度合いが磁気モーメントの変化量に比例して大きくなることが明らかにされた。
2炭化珪素の粒界酸化脆性に及ぼす粒界微細組織の影響
β-炭化珪素にSiと同一周期で価数の異なるMg,Al,P,を微量添加した試料を作製し、得られた多結晶試料の結晶粒方位分布、粒界性格分布などを定量的に評価し、粒界微細組織に及ぼす微量添加元素の影響を調べた。さらに、種々の温度、酸素分圧条件において系統的な酸化実験を行った試料に対して3点曲げ試験を行い酸化脆化を評価した。その結果、微量元素の種類により粒界性格分布、特に耐酸化性が高いΣ3双晶粒界の存在頻度を有効に変化させうることを明らかにした。また、粒界酸化脆性は、ランダム粒界の存在頻度が低く、粒径が小さいほど有効に抑制されることが明らかとなった。
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