研究課題/領域番号 |
10555234
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研究機関 | 宮城工業高等専門学校 |
研究代表者 |
吉田 光彦 宮城工業高等専門学校, 材料工学科, 教授 (40042254)
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研究分担者 |
北川 明生 宮城工業高等専門学校, 材料工学科, 講師 (90270199)
熊谷 晃一 宮城工業高等専門学校, 材料工学科, 講師 (00205163)
高杉 隆幸 大阪府立大学, 材料工学科, 教授 (20108567)
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キーワード | CoT / Co_2AlTi / B2型 / 金属間化合物 / 高温材料 / 二相材料 / 耐食性 |
研究概要 |
平成10年度では典型的なB2型金属間化合物CoTiおよび耐食性の優れたAlを多量に含有するCoAlを組み合わせ、強度の高いB2型金属間化合物CoTiおよびL21型ホイスラー型金属間化合物Co_2AlTiとの複合多結晶材を作成し、強度の逆温度依存性の発現の有無、B2型相およびL21型相の分布形状、最適分散度を決定し、電子顕微鏡を用いた組織観察を通じて変形機構を解明し、機械的性質および高温耐酸化性・腐食性を評価することで最適変形能を示す高温超耐環境軽量合金の開発研究を行うことである。その結果以下のことが判明した。(1)Alを含むB2型CoTi合金には強度の逆温度依存性が発現した。強度の逆温度依存性の発現機構を更に正確に把握するため、1000℃からの急冷材と、徐冷材とを比較し、発現の有無を調べたところ双方に現れ、空孔凝集機構ではなく、活動転位の芯の構造に原因がある事が確かめられた。(2)Alの添加量に伴い、0.2%降伏応力は急激に増加し、600℃では、0%Alは220Mpaであるのに対し、24%Al合金では1500Mpaであった。X線回折実験の結果、0%Alから12%AlまではCoTiの回折ピークのみ出現し、24%AlではCo_2AlTiのピークのみであった。(3)耐食性を調べたところ、従来のフッ酸系、硝酸系の腐食液では腐食されず、組織観察は熱腐食法を用いた。このことは耐食性が優れていることを示している。尚、室温での変形は4%Al以上の配合組成では観察されず、この組成以下の添加量が適正配合組成と思われる。
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