研究課題/領域番号 |
10555241
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
竹内 学 茨城大学, 工学部, 教授 (00007775)
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研究分担者 |
山本 雅洋 (株)グリーンテクノ, 部長
新村 勲 保土谷化学工業(株)筑波研究所, 所長
百瀬 義広 茨城大学, 工学部, 教授 (10006314)
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キーワード | 静電粉体塗装 / 粉体塗料 / トリボ帯電 / 電荷制御剤 / スプレーガン / 金属酸化物 |
研究概要 |
本研究では、光沢と平滑性に優れた塗膜が得られ、かつ、高塗着効率により高い経済性を併せ持つ、高性能静電粉体塗装の基礎技術を開発することを目的とする。そのために、トリボ帯電方式静電粉体塗装の短所である、粉体塗料の帯電量が塗料の材質、環境に強く依存する点を電荷制御剤の技術を用いて解決する。今年度は、電荷制御剤を粉体塗料とトリボ帯電スプレーガンの内壁に利用する時の両者の関係を検討し、実用化への指針を確立した。 はじめに、電荷制御剤を含む粉体塗料のトリボ帯電性を評価した。電荷制御剤の正、負の極性に応じて粉体塗料の帯電極性は制御されるが、帯電量の値は、同一の電荷制御剤であっても粉体塗料のベース樹脂によって異なることを確認した。トリボ帯電スプレーガンに電荷制御剤を添加して、粉体塗料に与える電荷の極性と量を制御することは十分可能であった。ただし、現在実用になっている電荷制御剤はすべて有機物で、変性、分解温度が比較的低いため、トリボ帯電スプレーガンをモールドで作製する時に問題が生じることが分かった。この問題は、酸化物粉体を電荷制御剤として使用すればクリヤーされるが、帯電制御効果は現在のところ有機物の電荷制御剤に劣っている点が問題である。 以上の研究を総合して、使用する電荷制御剤の種類を適切に選べば、従来困難であった樹脂を用いた粉体塗料も、トリボ帯電式スプレーガンで使用することができ、高性能塗膜を形成できることを確認した。
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