研究課題/領域番号 |
10555242
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 俊夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70115111)
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研究分担者 |
吉成 明 株式会社 日立製作所, 日立研究所, 主任研究員
岡崎 正和 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (00134974)
前田 正史 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (70143386)
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キーワード | Ni基超合金 / タービン翼 / 補修 / 柱状晶・等軸晶遷移 |
研究概要 |
単結晶タービン翼の補修技術では、クリープ強度の低下を避けるためのも翼母材と同一材を用いることが求められる。このため、補修時の割れとともに、補修部の結晶粒界生成を抑制し、母材と連続した単結晶化を図ることが重要である。まず前者の割れ防止には、補修部近傍の熱応力発生を適正なレベル以下にとどめることが必要となる。また、後者の単結晶化では、入熱量を適正レベルにコントロールし、補修部の溶融プールの深さ、溶融凝固界面の形成、溶融部の凝固条件などを制御することにより、溶融部をエピタキシャル凝固させる必要がある。 そこで、単結晶母材に電子ビームを照射し、溶融プール深さと凝固過冷度の異なる試料作成を行った。これら試料の組織観察結果、プール中央部では母材と連続してエピタキシャル成長した柱状晶、主としてビーム外周部では等軸晶が成長することが分かった。タービン翼の補修部は何らかの機械的損傷を受けており、残留ひずみの存在が知られている。そこで、予ひずみ付加試料の加熱時に生じる再結晶粒成長挙動を検討した。その結果、予ひずみが一定量を超えると、凝固時に生成したミクロ偏析部に沿った優先的な再結晶が生じ、単結晶化が阻害されることが分かった。さらに、肉盛り補修凝固時にも補修部の残留ひずみが大きい場合には、凝固組織自身はエピタキシャル成長するものの、凝固後の冷却過程で非溶解部から再結晶の生じることが分かった。
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