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2000 年度 実績報告書

ダイヤモンド膜の二段階CVD成長法による切削工具の高信頼化

研究課題

研究課題/領域番号 10555243
研究機関東京大学

研究代表者

光田 好孝  東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (20212235)

キーワードダイヤモンド / CVD / 切削工具 / 二段階成長 / マイクロ波プラズマ / 高信頼性 / 超硬基盤材料 / 密着性
研究概要

CVD合成ダイヤモンド膜を用いた切削工具が既に商品化されているが,密着性などの問題点解決とコストダウンが望まれている。このため,as-depo状態でのCVDダイヤモンド工具の作製が必要不可欠である。一方,当研究室では,高過飽和二段階CVD成長法により核生成密度の増加効果が確認され,高い密着強度をもたらす可能性が示唆されている。そこで,本研究では,高効率で広い堆積面積に対応した新しいエンドランチ型CVD装置を開発するとともに,二段階CVD法を用いて超硬材料基体上にダイヤモンドを堆積させた,as-depo状態での工具の信頼性を向上させることを目的とする。
昨年度までに,円筒H11モードマイクロ波共振器を用いたエンドランチ型マイクロ波プラズマ発生装置を,ダイヤモンドCVDに用いることが可能なように改良を進めてきた。これまでに,堆積面積の拡大のために,マイクロ波モード変換素子部の改良によるプラズマへの投入電力の増加およびプラズマガスとして低い放電破壊電圧と低い熱伝導度をもつArの利用の両者により,プラズマ体積の拡大に成功した。この結果,基板ホルダー内の75mm径の範囲内にダイヤモンド粒子を堆積させることが可能となった。
今年度は,更に,理論上の最大堆積面積まで拡張するために,ヒーターの分割制御を用いることにより,基板ホルダー全面にわたり基板温度を均一化させ,110mm径の範囲内にダイヤモンド膜を堆積させることを試みた。結果として,100mm径の範囲において,プラズマ発生時ですら50℃以内となるほぼ均一な温度分布を得ることが可能となり,この範囲全体にダイヤモンド膜を形成させることに成功した。また,他の堆積様式において堆積速度の向上が報告されているO_2添加ガス系,10%CH_4-4%O_2-H_2プラズマ中で堆積を行い,堆積速度の向上を確認した。以上より,この装置を用いることにより,ダイヤモンド工具の作製におけるコストダウンの可能性が示されたと云える。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 高井義成,小林剣二,光田好孝: "円筒H11モードを利用したマイクロ波プラズマCVD装置によるダイヤモンド膜の大面積堆積"表面技術協会第102回講演大会講演要旨集. 233-234 (2000)

  • [文献書誌] 高井義成,小林剣二,光田好孝: "円筒H11モードマイクロ波共振器によるダイヤモンド膜のCVD形成"第14回ダイヤモンドシンポジウム講演概要集. 64-65 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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