研究課題/領域番号 |
10555247
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
杉村 博之 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (10293656)
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研究分担者 |
中桐 伸行 株式会社 ニコンカンパニーサポートセンター, 主幹研究員
井上 泰志 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (10252264)
高井 治 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (40110712)
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キーワード | 有機薄膜 / 自己組織化単分子膜 / 有機シラン / 光洗浄 / 微細加工 / リソグラフィ / レジスト / 原子間力顕微鏡 |
研究概要 |
本年度は、昨年度の開発に成功した各要素技術を基礎に研究を発展させ、自己組織化超薄膜レジストを用いたナノ微細加工プロセスを開発した。 1.自己組織化単分子膜のエッチングマスクとしての機能評価 炭素数18のアルキル鎖を持つ、膜厚約2nmのオクタデシルシリル(ODS)膜の、エッチング耐久性を調べた。特に、半導体集積回路製造工程で主流となっているプラズマドライエッチングによるパターン転写の可能性を検討した。その結果、膜厚の20倍以上の深さまでのプラズマエッチングに耐えられることを実証した。また、膜厚2nmという超薄膜であるにもかかわらず、ODS膜にはピンホール等の構造的な欠陥は無く、すぐれたレジスト膜であることが明らかになった。 2.電流注入型AFM描画 導電性のAFMプローブの先端から単分子膜レジストに電流を注入し、プローブ―単分子膜接合点での局所的な電気化学反応を誘起することによって、単分子膜を変成・分解してパターン描画する、AFMナノリソグラフィ技術を開発した。この技術によって、線幅50nm以下のシリコンナノパターンを作製できることを実証した。 3.AFMリソグラフィによる絶縁体のナノ加工 開発したAFMリソグラフィは電流注入型であり、そのままでは、導電性の基板材料にしか適用できない。そこで、絶縁体の微細加工にも適用可能な新しいプロセス技術を開発した。膜厚20nmの非晶質シリコン膜をベースにした導電性の薄膜レジストを開発することによって、課題をクリアしている。非晶質膜にすることによって、粒界によるパターンの揺らぎを最小限に押さえた。 上記、プロセス技術の開発によって、実際のデバイス製造につなげることのできる、AFMリソグラフィ技術を完成させることができた。
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