研究分担者 |
角谷 順一 立山アルミ外装(株), 課長
沖 善成 三協アルミニウム工業(株), 取締役
長谷川 収 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80244416)
楊 明 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90240142)
浅古 豊 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20094253)
|
研究概要 |
木材を圧密化して高強度圧縮木材を製造する研究を行った.この高強度材の性能として,断熱性能と衝撃吸収能について着目し,工業的な応用を試みた.木材は,現在使い道に困っているスギの小径木でその用途開発は日本の林野行政の中でももっとも重要課題である.この,やっかい物のスギの小径木を煮沸し柔らかくした後プレスで圧密化し,高温水蒸気下で形状固定する.ここまでの技術についてはすでに,昨年度までに完成しており,今年度は,この圧密木材の用途開発に主眼をおいた研究を実施した. 1) 断熱性能の工業的利用 木材の持つ断熱性を建材に応用するもので,アルミニウムの持つ建材としての性能を生かしながら木材の特性を加味したハイブリッド建材を開発する研究である.本年度は圧縮木材の断熱性を購入した「熱伝導率測定装置」を用いて測定した.スギの圧密度,繊維方向,比較材としてヒノキについても測定した.その結果では,密度に比例して熱伝導率は変化し,アルミニウムに比べて,200分の1程度の値であった. 2) 衝撃吸収能の工業的応用 自動車のバンパー,インパクトビーム等は軽量かつ耐衝撃性が要求される.粘弾性体である木材をアルミニウム押出し材と複合させて上記メンバーに使用する開発研究である.本年度は,閉断面のアルミニウム押出し形材の中に圧縮木材を挿入して静的曲げ試験を行ってその強度と破壊までの吸収エネルギーを測定した.その結果,アルミニウム単体よりも破壊エネルギーが50%も向上した.これは,破壊形式の変化によるものであることを確認した.
|