前年に開発した高温用示差熱分析装置をさらに改良し、種々の加熱冷却速度において、より微小な発熱・吸熱反応を感知できるようになった。この装置は、2200℃程度まで熱分析が可能であり、最大500K/sの冷却速度、数時間にわたる測定が可能であり、過冷却凝固などの実験に応用できる。 Al_2O_3-YAG系では、YAGの核生成には融液の最高保持温度が影響し、2100℃以上に保持された融液ではYAGの核生成は起こらず、低い冷却度で冷却しても A12O3-YAP共晶系が選択される。2000℃付近になんらかの相変態の存在が示唆され、開発したDTA装置に吸熱・発熱反応を調べた。その結果、この温度付近では、DTA装置で検出できる吸熱・発熱反応が存在せず、クラスターの消滅、酸素の配位などの変化が核生成に影響している可能性が示された。 さらに準安定A1203-YAP共晶組織を球加熱することにより、共晶組織の再溶解・週冷却液体の生成が可能であることが示された。
|