凝固法による共晶セラミックスの組織制御法(微細化など)の基礎の確立を目指して、高温熱分析技術の確立、Al_2O_3-Y_2O_3系を主にセラミックス共晶系における平衡共晶・準安定共晶の選択、他の酸化物添加の共晶組織に与える影響、定量的な共晶組織形成範囲(CoupledGrowthZone)の測定を行った。 本研究により高温用示差熱分析装置を開発し、2500Kまでの温度範囲でより精度の高い測定が可能になった。 この装置を用いて、Al_2O_3-Y_2O_3系における共晶系の選択は核生成が決定していることを明らかにした。核生成に影響する因子は、冷却速度・融液の最高保持温度であった。 Al_2O_3-YAG系に22種類の酸化物を添加した擬3元系において、添加が共晶組織に与える影響について調べた。酸化物の添加は組織を微細する傾向が一般的にあり、添加した酸化物が凝固界面による物質輸送を低下させるためである。 共晶組成では広い成長速度で共晶組織が形成されるが、組成幅は2mol%程度であった。この狭い組成幅はファセット成長のためであった。
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